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エンジニア就活 本

マサルです。
今回は、ITベンチャー志望の就活生におすすめの就活本を紹介します。
早速ですが、ITベンチャー志望の就活生であれば、すぐに「虚構」を読むべきです。
もう15年以上前の本なので、中古であれば300円程度で購入できます。
ITベンチャー志望の就活生へ「虚構」をおすすめる最大の理由は、今現在でも「虚構」に書かれている方法で会社を大きくしているITベンチャーが多いからです。
ベンチャー企業が手っ取り早く会社を大きくする手法として、株式交換を行うM&Aで他社を買収し続ける方法がまだまだ効果的だからです。
この「虚構」で書かれている錬金術的な経営手法が今でも「控えめに」行われていることを早くから就活生は頭に入れておくべきです。
最近では、RIZAPがこのライブドアと非常によく似た経営手法で株価を上げていたりします。
早くから、同社の「負ののれん」の会計処理を利用した錬金術紛いの成長かさあげの危うさを指摘する声は多かったが、その懸念が現実になったと言わざるを得ない。
引用:ライザップ「負ののれんの錬金術」ツケが回ってくるのはこれからだ
事業家集団と呼ばれる「じげん」も積極的にM&Aを行い拡大していますがRIZAP同様にライブドアと非常によく似た経営手法です。
粉飾とは言えないが、将来の損失可能性を見積もるうえでは黄信号と見られるかもしれない。
M&Aをすると必ず「のれん」という言葉がでてきます。
今回を機会に「のれん」の意味を理解してみるのもいいかもしれません。
M&Aにおける「のれん代」を解説
「のれん」の減損で大赤字、なぜ起きる? マネーの世界 教えて高井さん【日経まねび】
話を「虚構」へ戻すと、この本は、若き日の堀江貴文率いるライブドアのCFO(最高財務責任者)を務めていた宮内亮治さんが書いた本です。
「ネットの世界でナンバー1になります」
1996年の春、初めて会った横浜中華街での食事の席で、堀江は私に何度もこう言って、「少し付き合ってみるか」という気にさせた。
引用:虚構P54
こんな具合で始まった2人の出会いですが、幸か不幸か、上場、球団買収、フジテレビ買収、総選挙への出馬、そして、2006年ライブドア事件での逮捕。
と濃密な10年間を過ごすこととになります。。
その間に起きていたライブドアの急成長の裏側を、CFOらしくお金の面からすべて書かれています。
当時のライブドアで取締役兼最高戦略責任者を務めていた榎本大輔さんもこの「虚構」を強くすすめています。
宮内亮治の本(虚構)を絶対に読んでください。
ちなみに、榎本大輔さんは、あの2chのひろゆきと古くからの友人のようです。
(榎本)まあ、ひろゆきは友達だから(笑)
昨日も夜中の2時まで彼とチャットしてた(笑)
かれとはけッこー前からのしりあいで、97年くらいからしってたかな?
引用:日本人初 宇宙観光旅行者 Dice-K (榎本大輔)氏
その他、「虚構」がITベンチャー志望の就活生におすすめな理由は以下の2点です。
きれいごと抜きのストレートな表現が多くリアリティがある
ベンチャー企業は、ほとんどが社長のワンマン企業です。
「虚構」で頻繁に描画される堀江社長からの激詰めのシーンは、ベンチャー企業にありがちな社長のワンマン具合が現れています。
「戦略会議」で「四半期ベースでも半期ベースでも赤字になる」と報告したことがある。この時の堀江の怒りは凄まじく、次のように攻撃して手がつけられなかった。
「なんで、なんで。どうなってんのこれ。ねぇ。ねぇ、なんで赤字のままなの。ねぇ、なんで。この四半期黒字にするんじゃなかったの。どういうこと。ねぇ、なんで。」
こう詰められて担当が答えられないと、堀江はさらに切れて手がつけられない状況になった。
引用:虚構P20
一方で、社員が反発したりする姿なども描かれており非常にリアリティがあります。
ベンチャー企業では、ワンマン社長に反感を持った役員が部下を引き連れて会社をやめて、自分たちで別の会社を立ち上げるなんてことも珍しくありませんので。。
堀江はなぜか了解した。正直に言って、この時点で私の堀江に対する信頼の糸は切れた。少なくとも、堀江には経営は任せられないと思い、主導権を私の方に引き寄せた。
引用:虚構P86
常に数字に追われるというベンチャー企業らしさが伝わる
ベンチャー企業ならば数字へのコミットは、大企業よりも強く求められます。
昨年を上回る数字を当たり前に求められる環境です。
いつものように堀江は、経営会議などで声を荒げて我々幹部に迫った。
「黒字にしないとやばいからさぁ。なんとかならない?なんか(利益の出せるものは)ない?」
引用:虚構P30
私はこうクギを刺した。
「無理ですよ。絶対。もうカネもないし弾もない」
堀江は口を尖らせて反論する。
「なんで、なんで。倍くらいいかなきゃダメでしょう。とにかく去年は絶対、上回んなきゃあ。最低でも利益20(億円)は出しましょうよ」
引用:虚構P36
まだまだ書ききれないくらいベンチャー企業のお金に対するシビアさが「虚構」には詰まっています。
少なくとも就活生の間では、無名の本なので他の就活生と差をつけることができますよ!
ライブドア事件首謀者「ジョージ・ミヤウチ」って誰やねん?
嬉しいことに2021年には、榎本大輔さんのYouTubeチャンネルに宮内亮治さんが登場しました!
就活本 役に立たない

ITベンチャー志望の就活生に関して言えば、一般的な就活本はほとんど役に立たないです。
役員面接や社長面接までいくと、一般的常識やお辞儀の角度などを彼らは全く見ていないからです。
では、社長や役員は、就活生の何を見ているのか。
それは、ビジネスセンスとプログラミングスキルを持つ人材かどうかです。
もしくは、それらを将来持つだろうと思わせるような、大きなポテンシャルがあるかです。
エンジニア職で就活しているのであれば、プログラミングスキルはもちろん求められます。
が、ビジネスセンス、つまり、経営や会計の知識も実は見られています。
新卒で入社するということは、会社からすれば将来の幹部候補としての採用です。
エンジニアで出世をしてレイヤーを上げていくにつれて、プログラミングスキル以上にビジネスセンスが求められるようになるからです。
エンジニアがビジネスセンス?
と思われるかもしれないですが、webサービスの売上を上げるための施策を考えるときに、ビジネスセンスは必要不可欠です。
下の例だと、一見すると案Aがよいと思いがちです。しかし、工数と売上を共に判断すると案Bを選ぶことが正しいのです。
例)
案A 2週間の工数がかかり、売上が10%伸ばせる機能
案B 3日の工数がかかり、売上が5%伸ばせる機能
という具合に、プログラミングスキルとビジネスセンスの両方を頭に入れた判断が求められます。
実のところ、工数がどれだけかかるのかは、エンジニア経験のある者しか分かりません。
昨今のDX化の流れで非IT企業もシステム開発に力を入れ、外部のIT開発会社へシステム開発を外注するケースが増えています。
しかし、エンジニアではない経営者がシステム開発の適正額を見誤ることが多く、割高な外注費を支払ってしまうケースも増えています。
システム開発では、外注費が億単位になるため、適正額かどうかが分からなくなると、訴訟にまで発展することも珍しくありません。
旭川医大とNTT東日本、トクヤマとTIS、読売新聞とアクセンチュア。いずれも、パッケージ導入の失敗をめぐり、訴訟で責任の有無を争った。
このようなトラブルを防ぐ意味でも、ビジネスセンスとプログラミングスキルを持つ人材は企業からすれば喉から手が出るほどほしいのです。
就活本 おすすめ

最後に、就活を有利にすすめることができるおすすめの就活本がありますのでご紹介させていただきます。
「虚構」を読むとわかるのですが、上場したベンチャー企業の社長は、株価をとても気にします。
それもそのはずです。
創業者社長の資産は、持株数×株価だからです。
創業社長からすれば、資産を増やすという意味では、月々の給与なんてどうでもよく、株価を上げるほうが手っ取り早く資産を増やすことができます。
例として、有名なベンチャー企業創業社長の資産(持株数×株価)を上げてみました。
(※2021年1月現在)
メルカリ 創業社長
山田進太郎 37,612,000株x5,680円 = 約2136億円
BASE 創業社長
鶴岡裕太 3,140,400株x10,110円 = 約317億円
弁護士ドットコム 創業社長
元榮太一郎 4,881,000株x9,920円 = 約484億円
ウォンテッドリー 創業社長
仲暁子 6,529,000株x1,504円 = 約98億円
上場している企業であれば、「会社名〇〇 株主」と検索すれば社長がどれくらい株を持っており、資産がいくらなのか誰でも知ることができます。
もちろん、必ずしも、社長が株を保有しているわけではありません。
社長が会社の株を持たない、いわゆる雇われ社長かどうかも株主を見ることでわかってしまいます。
雇われ社長だと、早ければ1年で解任なんてこともありえますし、移り変わりの激しいITベンチャー企業だと平均して3年程度で、解任されているケースが多いです。
雇われ社長は肩書的には社長ですが、会社の所有者とはいえません。雇われ社長の上には別にオーナーがいたり、親会社があったりします。会社の経営についても絶対的な権限はなく、経営体制によっては他の重役のほうが、社長以上に発言力を持っているケースも珍しくありません。何か経営上の問題がある場合、雇われ社長は解任させられることになります。
というわけで、就活生であれば、気になる企業の株主をチェックすることは必須です。
株主をチェックすると同時に、株価のチャートを見ることで会社の状態をざっくりとイメージする事ができます。
直近3年の株式チャートが右肩上がりであれば、会社の状態は良いと見て問題ないですし、
右肩下がりであれば、会社の状態は悪いと判断できます。

とはいえ、株式チャートが右肩上がりなんて企業は、そう多くないです。
大抵は、ジグザグしていて、株式チャートからだけでは、企業の状態を判断できません。
株式チャートから企業の状態を判断できない場合でも、会計の知識を学べば企業の状態を判断することができるようになります。
就活生にはぜひこの就活を機会に会計の知識をつけることをおすすめします。
ここで言う会計とは、財務3表を読みこなせる力を指します。
勘違いしないでいただきたいのは、決して簿記を学んでほしいといっているわけではないことです。
日商簿記3級だろうが2級だろうが、1級だろうが簿記を通して学べることは、しょせん計算方法です。
日商簿記資格を勉強して、資格取得することはもちろん評価されます。
しかし、簿記を使う経理や税理士は、AIによってこれから職が急速に減っていくと世界で予想されています。
日本でもfreeeのような会計ソフトが急速に普及しているので、近い将来、経理や税理士の需要は激減するでしょう。
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世界にはすでに税理士不要の国まで出てきています。
エストニアは確定申告をする必要がない国です。そして、世界でも珍しい、税理士や会計士がいなくなってしまった国でもあります。
個人的には、これからの時代であれば、簿記という名の計算方法を学ぶ必要はないと考えています。
他に学ぶことがあるエンジニアであればなおのことです。
大切なのは、計算方法ではなく、計算で出された財務3表を読みこなせる力なのです。
財務3表を元にビジネスでアクションを起こせる力です。
もちろん、これらは社会人になってから身につけても遅くはないです。
しかし、就活であるうちに、財務3表を読みこなせる力をつければ世間的に無名でな優良企業を自ら探すことができます。
就活での会社選びを
「なんとなくこの会社は、有名だから」
「コマーシャルでよく見るから」
「ネットの記事で特集されていたから」
このような認識で会社を選んだ就活生と、財務3表を読みこなし自ら会社を選んだ就活生では数倍もの差がついています。
「財務3表」を読みこなすようになるには、「財務3表」の読み方を解説している本を読む必要があります。
就活生におすすめな「財務3表」を解説している本は、「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」です。
この1冊が就活本でおすすめの本です。
会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
金欠でお金がない。。
という方は、この本の著者である「大手町のランダムウォーカー」さんがインスタでわかりやすく「財務3表」を解説していますので、せめてインスタフォローだけはしてみてください!
※「大手町のランダムウォーカー」さんのインスタグラムは、こちら
この本を読み「財務3表」を理解できたら、あとは気になる上場企業の有価証券報告書をEDINETで読み漁れば読み漁るほど「財務3表」の理解が深まります。
上場企業であれば、EDINETから四半期(3ヶ月に1回)ごとに「財務3表」が出てきます。
・営業キャッシュフローはどれだけ増えているのか?
・自己資本比率はどれくらいなのか?
・売上総利益は、どちらが高いのか?
などなど。
就活していて興味のある会社があれば、毎回「財務3表」を見てみることが大切です。
「財務3表」の理解が深まることは、就活における会社選びに役立つばかりではありません。
就活を終えてからでも、「ライバル企業を比較するとき」、「株式投資を始めるとき」、「数年後に転職活動する際」にも「財務3表」があなたの決断を助けてくれるでしょう。
最初は、「財務3表」ってとっつきにくいと思われるかもしれません。
しかし、財務3表を読みこなせるようになると、長い目で見て圧倒的なリターンが見込めることをお忘れなく!
