【木下勝寿 プログラミング】マーケターはプログラミングをマスターすること

「2017年株価上昇率ランキング」で堂々の第1位(※上場初値(2012年5月)と比べると200倍超え)
わずか社員70名で「日本で唯一4年連続上場」(札幌アンビシャス→札幌本則→東証二部→東東証一部)

そんな勢いのあるベンチャー企業「北の達人コーポレーション」という会社をご存知でしょうか。

「「おもしろい」をカタチにして、世の中をカイテキにする達人集団」というユニークな経営理念を掲げる社長の木下勝寿さんは、「演歌の戦略」「絶対に伸びるビジネスモデルの採用(定期購入)」など独自の経営戦略を提案しています。

D2Cやサブスクを10年以上も前から開始し、2006年に提供を開始した代表作「カイテキオリゴ」は、日本一売れているオリゴ糖と言われるまでになりました。

引用：北の快適工房カイテキオリゴオリゴ糖

10分でわかる　株式会社北の達人コーポレーション HISTORY

木下勝寿さんは、中学生の時に受けた公民の授業で起業を意識し始めます。

「中学校の公民の授業で「会社は誰でもつくれる！」と知り、かなりの衝撃を受けたのを覚えています。」

大学在学中は、起業の勉強をするために同年代の学生達だけで運営されていた「リョーマ」に所属していました。
「リョーマ」に所属していた学生は、大学卒業後に起業するか、リクルートへ就職するかどちらかを選ぶのが通例でした。

木下勝寿さんは、大学卒業後も起業を意識した上で起業家を多数輩出していることで有名なリクルートへ就職を選択しました。

「学生企業内は、卒業してすぐ起業するか、リクルートに就職するかの2択という流れがありました。まだ起業する自信のなかった僕は、ひとまずリクルートを選択。」

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

就職したリクルートでは、起業を視野に入れて会社員をしていたようです。

「リクルートの社員としてあらゆる業種の企業の採用、教育、組織活性などの支援をする仕事を通じて社会勉強、ビジネス経験を積みながら、独立のための準備をしていました。」

引用：【第1章】最初の起業の失敗

木下勝寿さんのツイートによると1992年リクルート入社の同期約500人のうち、現在5人が上場企業の社長だそうです。

さっき「嵐にしやがれ」に出てた佐藤二朗はリクルートの1992年入社の同期だ。同期は500人くらいいるが自分含めて5人が上場企業の社長になったし、多くの同期が各方面で活躍している。誇りに思える同期達だ。

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) January 18, 2020

リクルートで5年働きまして、このときは求人誌の営業をやっていた。

意外にもリクルート時代の木下勝寿さんは、あまり目立った社員ではなかったようです。

経営者は能力の差もあると思うけど「向き不向き」が大きい様に思う

自分は元々営業マンをしてて、正直あまりパッとしなかったけど、経営職をするようになって「あ、この職種向いてる！いくらでもアイデア湧いてくる！」と思った

特に「経営者はつらい」「経営者は孤独」とか一度も思った事もない https://t.co/wc3Ja9TO5n

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) August 21, 2020

リクルートで5年働いたのちに、プランナーとして独立をします。

当初は3年くらい働いて独立するつもりでしたが、実際は5年かかってしまいました。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

プランナーみたいな感じ独立しました。

しかし、早くも2年目で雲行きが怪しくなり始めます。。。

独立して2年くらいしてから徐々に仕事がなくなってきたんですね。ほんとに仕事がなくなって財布の中に50円しかなくなり一旦その事業を諦めました。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

事業を諦めたとはいえ、生活費を稼がなくてはいけないので失意の中、肉体労働のアルバイトをして生計を立てていたようです。
当時、木下勝寿さんが30歳の頃です。

（続き）
偉そうなことばかりを言ってるが、私は時代を読み切る天才ではない。
それだけ多くのことを学んだにもかかわらず、私自身の最初の商売は失敗し、財布の中が50円玉１つになった。
30歳の時は肉体労働のフリーターになっていた。
人間とは愚かな者だ。
（続く）

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) April 20, 2020

大阪で起業して一度失敗して失意のどん底にいた。

引用：札証セミナーで北の達人コーポレーション木下勝寿社長が秘話披露その②

次のビジネスチャンスを探りながら、肉体労働のアルバイトを続ける生活を1年くらいしていた頃にインターネットに出会います。

最初の頃は、インターネットを懐疑的に見ていたんですが、2000年頃にこれは本物だろうと。よし、ここに乗ろう！ということでインターネットの会社を立ち上げました。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

会社と言ってもお金のなかった木下勝寿さんは、有限会社も株式会社も(当時は、資本金の規制があったため)立ち上げることができませんでした。
そのため、合資会社(合資会社サイマート)という形で、従業員も木下勝寿さん1人で事業をはじめました。
1999年12月のことでした。

引用：IPO(トップ):IPO – トレーダーズ・ウェブ(株式情報、ＦＸ情報)

同時期(2000年頃)に、木下勝寿さんはベンチャー企業でも上場できることを知ります。

『上場を意識したのは、２０００年ころだ。サイバーエージェントが創業２年で上場したのを知って衝撃を受けたのがきっかけだった。同じ２０００年に堀江貴文氏がオン・ザ・エッヂの上場をしたときにもテレビの会見で「２７歳で上場するなんて、すごいですね」という記者の質問に堀江氏が、「すごくない。皆上場しようと思っていないから上場できないだけ。上場基準を知っていますか」と答えていたのがとても印象に残った。この２社の上場が、私も目指せば（上場が）できるかも知れないと考え始めた契機になった』

引用：札証セミナーで北の達人コーポレーション木下勝寿社長が秘話披露その②

2回目に挑戦する事業は、北海道のカニやメロンなどの特産品を扱うネット通販でした。

ネット通販で厳選した“いいもの”だけを全国に届けようと事業をスタートさせました。

引用：札証セミナーで北の達人コーポレーション木下勝寿社長が「金なし、コネなし、たった一人で北海道に来て１０年で上場した秘話」を披露～その①

全国の特産品の中でも北海道の特産品にした理由は、木下勝寿さんが北海道が好きだったからでした。

私自身、北海道には２０回ほど旅行していたし北海道が好きだったので、北海道の商品は必ず売れると感じていた

本当に好きなことを選ぼうと思った時に、真っ先に頭に浮かんだのが昔から大好きだった北海道をテーマにしたビジネスでした。

しかし、2000年当時はネット通販がまだまだマイナーな存在でした。
そのため、通販サイトで扱いたい商品があってもなかなか商品を卸してもらえませんでした。

100社ほど電話して、結局アポイントを取れたのは3社くらい。
でも、その会社さんたちも正直売れるとは思ってないんです。若い奴が頑張るなら協力しよう、という感じ。それで僕は、「必ず成功します。何故なら成功するまで絶対に辞めませんから」と会社さんたちに宣言したんです。

美味しくカニを食べてほしいため、わざわざ手書きでカニの食べ方を同封するなんてことまでしていたようです。

美味しいカニを届けても、食べ方を間違えると美味しくないのです。そこで解凍方法や食べ方の虎の巻を添えるようにしたのです。しかも、絶対に読んでいただけるように手描きで作りました。すると「美味しくない」というクレームはなくなりました。

そんな地道な活動を続けたことに加え、ネットバブルの力でネット通販のビジネスは大成功します。

創業当時は競合がほとんどなく、ビジネスは大成功。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

そして、ついに北海道へ移住することを決めます。2002年のことでした。

スタート半年で月１０万円の売上げになり、１年経って月１００万円の売上げになった。当時は実質１人でやっていたが、２年で給料が取れるようになった。起業して２年経って大阪から北海道に移住してきた

木下勝寿さんは、北海道へ移住したことが嬉しくてしょうがなかったと当時を振り返り語っています。

私の中では、夢が1個叶ったわけですから、北海道の道を歩いているだけで幸せ

パソコン２台を持って時計台近くの狭いビルの一室でスタートしたのが当社の始まり

引用：札証セミナーで北の達人コーポレーション木下勝寿社長が秘話披露その②

調べてみたところ、「北海道札幌市中央区北一条西二丁目」の山京ビルに入居していたようです。

引用：企業データ詳細「株式会社北海道・シーオー・ジェイピー」

引用：２３山京ビル(札幌市中央区北一条西)のビル情報【オフィスナビ®】

ビルからの時計台も近いのでこのビルで間違いないようですね。

引用：賃貸オフィス・店舗物件｜札幌のビル・マンションの管理・運営、不動産コンサルティング山京ビルマネジメント株式会社

移住当時は、北海道に知り合いが1人もいなかったようです。

旅行で何度も訪れていたとはいえ、そもそも北海道には縁もゆかりもないので、知り合いなんて１人もいません。

引用：【第3章】ないないづくしのところからのスタート

コネもなく実績も乏しい中で、取引先にはこのように宣言していたようです。

「私は必ず成功します。なぜなら成功するまで絶対にやめませんから。」と宣言しました。

引用：【第3章】ないないづくしのところからのスタート

木下勝寿さんのfacebookページの好きな言葉には、こう書かれています。

引用：木下勝寿_facebook

こんなエピソードもあります。
創業して間もない頃に詐欺に引っかかってしまい全財産を失うアクシデントがありました。

私は創業して1年半後に取り込み詐欺に遭って全財産を失った。しかし、その時の感想は「おいしい」だった。
（続く）

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) February 11, 2020

ところが、落ち込むどころか「将来成功するんだから講演会のネタになる」と考えたようです。
強靭なメンタルの持ち主のようですね。。

私はどうせいずれ成功するのだから、講演したり取材を受けたりする機会も増えるだろう。
その時に「創業以来何の問題もなく、順風満帆にうまくいったんですよね」という話をしても全く面白くない。（続く）

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) February 11, 2020

詐欺に引っかかってしまった当時は、コブクロの曲に救われたとも語っています。

そんなとき、私を勇気づけてくれたのが、当時流行していたコブクロの「YELL（エール）」という歌でした。

引用：【第3章】ないないづくしのところからのスタート

コブクロ YELL

2000年に開始したネット通販は順調に成長を続け、2006年には、ネット通販業界で有名な賞を受賞してネット通販業界では有名になりました。

ついにはインターネット通販業界のアカデミー賞といわれる「日本オンラインショッピング大賞」を受賞するまでになりました。

引用：【第4章】全国的ブームを巻き起こす！しかし・・・

“最優秀中規模サイト賞”は、北海道産食品に特化した通信販売サイト“北海道・しーおー・じぇいぴー”を運営する(株)北海道・シーオー・ジェイピーが受賞した。リアルタイムランキングを採用したり1万件以上のユーザーの意見を掲載して顧客満足度の向上を図り、北海道特産品販売サイトの中で最大のアクセス数を獲得した点が評価された。

引用：EC研究会、“第10回日本オンラインショッピング大賞”を発表

順風満帆と思いきや、楽天市場の爆発的な普及もあり数多くの会社が北海道の特産品を扱うネット通販を開始し始めました。
結果、競合との競争が激化して売上も頭打ちになってしまいました。

そのころ、北海道の特産品を扱う会社が５００社も出てきて市場競合が激しくなり売り上げは伸びなくなってしまった

上がり始めた売上もすぐに頭打ちし、徐々に降下していったのです。

引用：【第4章】全国的ブームを巻き起こす！しかし・・・

ここで、次の事業を始めることを決断します。

「このままではまずい！次の手を打とう！」そこから様々な新規事業に着手しました。

引用：【第4章】全国的ブームを巻き起こす！しかし・・・

新規事業として、「北海道わけあり市場」「カイテキフレンドクラブ(現、北の快適工房)」の2つを開始しました。
「日本オンラインショッピング大賞」を受賞したわずか1年後の2007年のことでした。

引用：沿革 | 株式会社北の達人コーポレーション

2007年当時の北の達人コーポレーション社内風景です。

引用：2016年7月 : 北の快適工房『工房だより』

次に始めたのが「北海道ワケあり市場」という、足の折れた蟹などの規格外グルメに特化したサイトでした。いわゆる、ワケありグルメサイトの走りです。

「わけあり商品」だけを売るタイムセールの企画を行ったんです。すると商品がよく売れて。2007年9月に新たに「北海道わけあり市場」というネットショップを開設することになりました。

「北海道わけあり市場」開設当初は人数が少なかったので、「北海道・シーオー・ジェイピー」の仕事が21時に終わって、その後から「北海道わけあり市場」の準備…と、とにかく目まぐるしい毎日でした。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

そんな「北海道わけあり市場」は、マスコミが取材に殺到するほど日本全国に「わけありブーム」を起こしました。

TVの取材がものすごく殺到しました。1年間で30回もTVに紹介されたときもありました。その時は、常にTVカメラが社内にある感じでした。

【“わけあり商品” で不況の北海道を救え！】
「脚の折れたタラバガニ」「不揃いの高級ホタテ」など、いわゆる“わけあり商品”の通販で売上げを急激に伸ばしている北海道の企業がある。

引用：日経スペシャル　ガイアの夜明け : テレビ東京

「わけありグルメ」ブームが来る!?
このブームのきっかけは、北海道の「北の達人コーポレーション」が運営する「わけありグルメニュース」というサイトらしい。

引用：「わけありグルメ」ブームが来る!? – フードスタジアムフードスタジアム

しかし、ブームを起こしたものの売上は上がるどころか、競合が増えたことで徐々に下がってしまいました。

ブレイクしたことで売上が上がったかというとそんなことはなかったんですね。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

テレビ番組にも頻繁に取り上げられるまでになったんですが、結局これもすぐ他社に真似されてしまいました。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

「北海道わけあり市場」が伸び悩む中、「北海道わけあり市場」と同時期に始めた「カイテキフレンドクラブ(現、北の快適工房)」では希望の光が見え始めていました。

意外にも、「カイテキフレンドクラブ(現、北の快適工房)」への期待値は低かったようです。

健康食品なんて売れないだろうと思ってスタートした。

しかし、お客さんからのリアクションをキッカケに新たなマーケットの存在に気づきます。

喜び度合いが違うなと。カニとかメロンは、美味しかった、ありがとう。という感じなんですが、健康食品の場合は、涙ながらに電話してくれる方もいたんですね。どうもこれはすごくいいマーケットではないのかということで健康食品に力を入れてみることになりました。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

そして、真似されにくい自社ブランド開発1本に注力することを決断します。

『他社が絶対にマネできないような自社ブランドを開発する以外に、道はない』それが結論でした

引用：上場会社トップインタビュー「創」 | 日本取引所グループ

運営していた通販サイト2つも売却して、「カイテキオリゴ」だけに経営を集中させることになりました。

「北海道わけあり市場」はメディアにも大きく取り上げられ、順調に売上が伸びていたのですが、同時に類似したサイトもどんどん出てきていました。このとき一番収益をあげていたのが、「カイテキフレンドクラブ」で販売していた「カイテキオリゴ」という商品で。上場して組織を大きくしていくのであれば、この商品を中心として自社商品の開発・販売に注力したほうが事業として安定していくのではないかと判断し、2011年の2月に「北海道・シーオー・ジェイピー」と共に事業運営を譲渡しました。

結果、自社ブランドの開発に注力したことで、爆発的に事業を伸ばすことになります。
今でも木下勝寿さんは、講演テーマで「カイテキオリゴ」を扱うなど思い入れがあるようです。

基調講演
★木下　勝寿氏 (きのした　かつひさ）株式会社北の達人コーポレーション代表取締役
講演テーマ : 「渾身の一品」で東証一部上場へ

引用：１８周年感謝祭 | ベンチャーコミュニティー

今でも木下勝寿さんは、北の快適工房が発足した7月を記念日とするほどのようです。

毎年7月は私にとって、ちょっとした記念の月です。なぜかというと、この北の快適工房が発足した月だからです。

引用：2016年7月 : 北の快適工房『工房だより』

その後も次々と自社商品の開発に成功。
今では、「カイテキオリゴ」だけだった自社ブランド商品も今では、「えぞ式すーすー茶」「アイキララ」「ヒアルロン酸パッチ」などなどその数30種類以上！

引用：北の快適工房｜美容用マイクロニードルパッチブランドギネス世界記録世界売上No.1に認定！

ヒアルロン酸パッチは、予約待ちだけで3万人以上の大ヒット商品です。
売上世界一のギネス記録を作るまでの大ヒット商品になりました。

北の達人コーポレーションが販売する刺すヒアルロン酸化粧品「ヒアロディープパッチ」は、累計販売数約1000万枚のヒットを記録し、予約待ち人数が3万人超となっている。

引用：北の達人、刺すヒアルロン酸化粧品が予約待ち3万人超に

北の達人コーポレーション社内風景

北の達人コーポレーション［2930］東証２部 NS

木下勝寿リョーマ

引用：代表メッセージ | 北の達人コーポレーション採用情報サイト

木下勝寿さんに、ビジネスにおいて大きな影響を与えたのはリョーマの存在でしょう。

真田哲弥氏が立ち上げた学生起業リョーマとは？
1987年に株式会社リョーマとして真田哲弥氏が設立。学生起業にも関わらず、87年度の売上は2億3000万円。その後、リョーマに関わっていたメンバーから、 GMOインターネット取締役副社長、ザッパラス社長、エンジェル投資家など、多くの上場起業家や投資家が誕生。

引用：伝説の学生起業家 Klab 真田哲弥氏の学生時代まとめ

そんなリョーマに、木下勝寿さんは大学生の頃に参画していました。

「学生ながらにビジネスの最前線で身体でビジネスを覚え、「商売」の面白さに目覚めたのはこの頃です。資金も知名度もないけれど知恵を絞って商品やサービスを生み出し、お客様の役に立ったり、喜んでもらったり、小さなムーブメントになったりすることに無上の喜びを覚えました。」

引用：【第1章】最初の起業の失敗

「そこでは学生たちが年商5億円ほどのビジネスをしていて、とても刺激を受けました。」

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

当時のリョーマのメンバーは、後に自ら事業を起こし社長となる方はもちろん、上場企業社長も数多く輩出しています。
リョーマは、伝説の学生ベンチャーとして語り継がれています。

「当時50人くらいがリョーマにかかわっていたんですけど今では50人中、8割、9割は社長になっています。そしてそのうちの半分くらいが上場企業の社長かもしくは関連会社の経営者になっています。」

引用：リョーマ30周年。もとメンバーはこんな面々です。

学生時代にリョーマにいたことで、知らず知らずのうちに普通の基準が底上げされたようです。

「学生時代に遊んでいた仲間が普通に起業して、普通に上場しているという感じだったので普通起業するよね、普通頑張るよねという中でしたので私も頑張れたのかなと思います。」

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

木下勝寿さんが「日本で唯一4年連続上場」を目指したキッカケは、リョーマの創業者である真田さんの影響とのことです。

「リョーマ創業者の真田さんって方がKlabという会社でマザーズに上場して、そのマザーズに上場した８ヶ月後に東証一部に市場替えしたんですね。新興市場から本則市場まで８ヶ月ってのが日本最短記録だったんです。これを抜きたいと思ったんですね。」

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

リョーマのあった大阪市淀川区西中島南方は、現在「にしなかバレー」と呼ばれ起業が盛んな地域のようです。

「西中島には株式会社リョーマという、伝説のベンチャーがあったんです。モバイルオンラインゲームで人気のKLab株式会社を創業した真田哲弥さんが在学中に作った学生ベンチャーで、30年ほど前に西中島のマンションの一室でやっていました。」

引用：「西中島を若者がチャレンジできる場所に」関西ベンチャーを牽引するにしなかバレーの代表を取材

IT（情報技術）ベンチャーが集積する米シリコンバレーや東京・渋谷のビットバレーにちなんで「にしなかバレー」と命名。約20社のベンチャーがお互いのノウハウを共有し成長をめざすほか、若者の起業支援にも乗り出した。

引用：ベンチャー集う街大阪・西中島　組織つくりノウハウ共有（ひと最前線）

木下勝寿さんは、リョーマのあった大阪市淀川区西中島南方で2002年5月に「株式会社北海道・しーおー・しぇいぴー」を設立しています。

引用：沿革 | 株式会社北の達人コーポレーション

今でもリョーマのメンバーとは、定期的に同窓会を行うなど交流が続いているようです。

2017年リョーマとSYNの30周年記念同窓会

北の達人社長売却

引用：正社員1人あたりの営業利益2332万円：上場企業平均の8.3倍を稼ぎ出す少数精鋭集団。

木下勝寿さんは、北の達人コーポレーションの筆頭株主です。
2020年10月現在で51.08%、72,055,400株を保有しています。

引用：北の達人コーポレーション（北の達人）【2930】の大株主と資本異動情報｜株探（かぶたん）

2020年現在、株価が550円程度なので、550×72,055,400 = 396億円が木下勝寿さんの資産となります。
396億円と聞くと驚きますが、東証一部上場企業の創業者であることを考えると意外と少ない印象です。

ちなみに、ライブドア全盛期の堀江貴文さんは、2000億以上の資産がありました。

一時は2000億円くらいの資産があった

引用：ホリエモンにお金について突っ込んだけど、何を聞いても価値観はひとつだった

木下勝寿さんは、2018年1月下旬には、合計で1,348,800株の持ち株を市場で売却しています。

北の達人、社長が市場内で大量に売却しているね pic.twitter.com/vi371hLOv0

— ありゃりゃ (@aryarya) February 15, 2018

当時(2018年1月)の北の達人コーポレーションの株価は、約860円ですので、この際の売却益は、860×1,348,800 = 11億6千万円です。

気になる自己資産の使いみちですが、2018年9月に起きた北海道胆振東部地震の際には、地震発生の翌日に自己資産1億の寄付を発表しています。

株式会社北の達人コーポレーション（本社：北海道札幌市、代表取締役社長：木下勝寿）は、今回の「平成30年北海道胆振（いぶり）東部地震」の被災地支援のため、被災地各地に合計１億円の寄付を行うことといたしました。

引用：北の達人コーポレーション北海道被災地に１億円の寄付

この1億円寄付が讃えられ、日本政府から紺綬褒章を受けています。

株式会社北の達人コーポレーション(本社：北海道札幌市、代表取締役社長：木下勝寿)は、当社代表取締役社長 木下勝寿が紺綬褒章(※)を受章いたしましたので、お知らせいたします。

引用：北の達人コーポレーション代表取締役社長木下勝寿　「紺綬褒章」受章のお知らせ

さらに2020年には、新型コロナで売上の落ち込んだ友人の会社(株式会社エコノス)へ2億円支援しています。

札幌証券取引所アンビシャス市場に上場しているエコノス（本社・札幌市白石区）の発行済み新株予約権の半分強を東京証券取引所１部・札証上場、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が個人で取得。
木下氏は、「新型コロナの影響を受けた企業を支援する意図で新株予約権を取得して増資を引き受けた。私自身が経営に直接関与する予定はなく、引き続き現経営陣による経営を応援する」と話している。

引用：コロナ苦境の「エコノス」、北の達人コーポレーション木下勝寿社長が個人で支援

ブックオフなどを運営するエコノス。新型コロナ禍で苦戦する同社に、北の達人コーポレーション社長が出資します：日経電子版　地域→北海道#北の達人コーポレーション #エコノス #ブックオフ #第三者割当増資 https://t.co/okP7oQgDMc

— 日経北海道 (@nikkei_hokkaido) May 21, 2020

木下勝寿さんは、持ち株を売却しはじめており引退が近いのかが気になるところですが、2018年のインタビューでは、馬車馬のように現場で働くと発言しているので引退はまだ先のようです。

僕の場合は直属の部下が30人ほどいます。「ここまできたらいいだろう」と思えたら現場を離れるかもしれませんが、まだしばらくは馬車馬のように働きます（笑）。

引用：最終回株式会社北の達人コーポレーション　木下勝寿社長　DMM MARKETING CAMP ｘマケスタコラボ　在宅学習応援プロジェクト！

2020年のインタビューでもまだまだ現場での業務を行っていると発言しています。

私は、社長兼部長兼課長なんですよ。普通のマーケの会社の課長くらいの感じで関わっている。

北の達人マーケティング

引用：【オンライン】「北の達人」他社を突き放す5つの戦略

木下勝寿さんは、なんと高校生の頃からマーケティングの勉強を始めていたようです。

「私は、高校生の時にはマーケティングの勉強を始め、その頃から会社に勤めるという選択肢は全くありませんでした。」

そんなこともあり北の達人コーポレーションは、マーケティング会社としても大きな強みをもっています。
2018年の日本経済新聞でのインタビューでも業績好調な要因は、マーケティングにあると答えています。

――好業績を支える原動力は。
「ウェブマーケティングが強みで、広告代理店とやり取りしてもスキルは高いと自覚している。広告投資効率が良くなってきた」

引用：ウェブ広告生かし急成長　北の達人社長「分析力磨く」

北の達人コーポレーションの決算説明資料にも「世界最高峰レベルのネットマーケティング集団」との記載があります。

引用：最終回株式会社北の達人コーポレーション　木下勝寿社長　DMM MARKETING CAMP ｘマケスタコラボ　在宅学習応援プロジェクト！

すでにネット業界では、日本トップレベルのマーケティング会社としての地位を確立しています。他社からマーケティングを頼まれるほどです。

うちが売るのが上手だからと聞いて、商品を扱ってくれという話がよく来るんですよ。全部断るんですよね。

特に特徴的なのが、アドマネと呼ばれる自社開発の広告運用管理ソフトです。

引用：北の達人コーポレーション決算説明会2018年５月18日

アドマネを使うことで5,000本もの広告出稿を同時に行い、常に広告最適化を行う仕組みを実現しています。

一般的な会社であれば外部の広告代理店へ広告運用を外注するのですが、北の達人コーポレーションではアドマネを使い自社で広告運用まで行う非常に珍しい会社です。

当社と同規模の広告費を運用する場合、広告代理店に委託するケースが大半であり、当社のように全て自社で運用しているケースは極めて稀。

引用：（株）北の達人コーポレーション　代表取締役　木下勝寿　オープンセミナー（平成25年８月23日開催）

話がそれますがすっきりフルーツ青汁で有名な三崎優太さんの会社も同様のビジネスモデルで急成長していました。

これD2Cの起業家なら絶対に見て

ビジネス本を読み漁るよりも遥かに価値がある、上場企業の社長からこうして学べる時代って凄い

ちなみに僕がやっていた青汁のビジネスモデルと北の達人さんのビジネスモデルはほぼ一緒です。木下社長は業界的にも圧倒的な最先端を走っていて、本当に学ぶことが多い！ https://t.co/6EOmXlJWYY

— 三崎優太(Yuta Misaki) 元青汁王子 (@misakism13) July 30, 2020

木下勝寿さんも三崎優太さんをマーケティング天才だと認めています。

この元青汁王子、三崎さんはマーケティングの天才。

以前、上場企業の社長達が集まって三崎さんに講演をしてもらったが、全員がその凄さに唸った。

わずかな動き、変化を敏感に嗅ぎ取り、戦略を練り上げて実行して、確実な成果を生み出していく稀代の経営者である。

そして意外（笑）と礼儀正しい https://t.co/IZFue37p1y

— 木下勝寿/東証1部社長兼現役webマーケッター (@kinoppirx78) July 31, 2020

2013年の会社説明会で、すでにアドマネについて語っています。

データ分析に強みを持っています。データ分析システムを全部自社で開発しています。

アドマネは、アップデートを重ねており今では、バージョン3が稼働しているようです。

機能面の強化を図るアップデートの実施により不具合を解消しており、さらなる改良を重ねたアドマネver３を2019年４月上旬より稼働。